サルでも分かるIT学び場

一匹のサルがIT業界の技術、トレンド、ニュース、闇を日々追いかけていくブログです。

プレミアムフライデー

(俺は入社5年目、メーカー常駐エンジニアの茶葉太郎。

金曜日の昼下がり、ちょうど眠くなってきたころだしトイレで休憩でもしようかな。)

 

そんなことを考えながら廊下を歩いていると、エレベータホールに若い女の子の集団が集まっていた。どうやら隣の○×商事の社員のようだ。ホールに香水のいい香りがたちこんでいる。

 

「今日早く帰って何する?」

「実は▲▲バンクの人たちと合コンなんだよね~」

「うらやま~、うちは家でゆっくり休もうかな」

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(まだ15時だよな?なんでみんな早く帰れるんだろう??)

そんなことを考えながら、オフィスに戻った。前の席にはさっき会った○×商事のレディにはお世辞にも似つかない小保留花子が、パワフルな顔で座っている。

 

「今日ってなんかある日だっけ?さっき○×商事の人たちが一気に帰ってみたいなんだけど。」

「茶葉さん、知らないんですか?今日はプレミアムフライデーですよ」

「聞いたことあるような・・・、国が決めてるものだから、俺たちも今日は早めに帰れるってことでいいんだよね?」

「何言ってるんですか、茶葉さん。今日は締め日ですよ。いつもの作業が20時からあるでしょう」

 

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締め日とは・・・

業務系アプリケーションを扱うエンジニアの場合、作業の締め日が決められていることがあります。

例えば購買管理のシステムであれば月末の会計処理に合わせて締め日を設けて、サービスが停止している時間帯に帳票の更新や機能追加、改修などを行います。

 

作業ができるのはサービスを使う人が休んでいる土日だったり、平日でも遅い時間であることも多いため、今回の茶葉太郎のように、特定の日に早く帰れなかったりすることもあるのです。

もちろんサービスの特性に合わせて作業を設定するので、締め日は月末に限らず、月中に設定している企業もあります。

 

締め日のほかに、サービスごとに「保全日」や「本番作業日」が設けられていることもあります。

よく「システムメンテナンス」というフレーズ、見たことはありませんか?

「24時間ATM使えるのに今日はなんで使えないんだ!」ってことありませんか?

 

サービスを使えない時間にエンジニアが頑張って新規の機能追加や改修を行っているのです。

作業日に向けて手順書やタイムスケジュール、追加するプログラムやジョブなどを準備してレビューして修正して・・・いくので、エンジニアは1,2週間前くらいから準備が忙しくて毎日終電・・・なんてこともあるそうです。

逆に案件がない日は忙しいこともないそうですが。

 

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(茶葉太郎は勤務を終え、地下鉄の電車の中で物思いにふけていた)

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(ああ、俺の現場は月末・月初なんか早く帰れないから、プレミアムフライデーなんか関係ないよな。うらやましいな。)

 

地下鉄の扉が閉まっては開き、家に向かって進んでいく。なぜかいつもより時間が長く感じるようだ。

 

また扉が開く。だんだん電車の中が混んできたようで、俺の席の前にも人が立っている。

 

「あれ、茶葉さんじゃないですか」

ふと顔をあげてそこに立っていたのは、同じ会社のエンジニアである貝俊夫だった。

(つづく)

(K)